他人様のオーディオシステムを聴くたびに、「いい音なんだけど、何か物足りない」と考え込むように言っていた知人がいました。
理由は簡単で、自分のシステムの音がこの世で一番好きだからです。その音と同じ傾向の音が出ていなので物足りなく感じるのです。(これはある意味幸せなことだと思います。)
そして、考え込むという姿勢がこの知人にとっては大きなポイントとなりました。自分の好きな音を分析的に深く考えたのでしょう。結果、その後知人は某オーディオ誌のインタビュー(?)で、理由を自覚したと思える発言をしていました。
「足るを知る」という言葉がありますが、オーディオ用語として使う場合は本来の解釈とは異なり「適正値を知る」となりますでしょうか?
知人は、足りないと感じる要因を突き止めた。それは適正値と照らし合わせたからです。だからこそ自分の好きな音の特徴を客観的かつ的確に捉えた発言ができたのです。
他人様の音が”足りていない”どころか、自分の好きな音が、ある帯域で過剰反応を示していることに気が付いたのです。でもそこが好きなのです。その”好き”に気付いて自覚すれば、自分のことのように他人様の嗜好の音にも理解を示すことができます。
自分(知人)の好きな音の変化としては、基本は変えていませんが、ツィーターの音圧がグンと下がりました。
この知人は自分の好きな音の傾向をを知り、同時に足るを知り、行き過ぎた物足りない症候群から脱出しました。
しかし決して現状レベルで諦めたわけではなく、その後も自分の好きな音に向かって、オーディオシステムの構築に励んでいます!
適正値を念頭に置きながらも自分の音を目指す、すなわち自分の音の立ち位置を客観的に捉えることに成功し、趣味のオーディオを満喫するいう独自の理念を手に入れたのでした。
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