2019年3月25日月曜日

再生音の考え方 2 /音色と音質
~その8 誰でも知ってることだけど・・~

ここまで音色音質についての、私の考え方を書いてきました。

この二つの言葉は誰でも知っています。
「だから今更何なんだ?こんなこと知ってるよ!」と、多分こうなりますよね。


当たり前すぎる事って、普段は気にも留めませんから特に疑問を持つこともなく、だからこそ、まだ気が付いていないことも沢山あると思います。

音色と音質という言葉の意味は知っている。けれどこの二つを分けて聴くという発想がない。発想がなければ意図的な聴き分けはできない。これはつまり”知識に体験が伴わず、実感できていない”ということになります。

「再生音の考え方」の違いが、現実の再生音に影響を与えることから、この当たり前すぎる音色と音質に焦点を絞って根本を見直したのは、今から数年前の、40代半ばを過ぎた頃だったか?
その時に実感したのが、「再生音の聴き方の基本の型には、それに則した普遍的な聴き方が存在する」ということでした。
その後、私が基本と定めた聴き方は、音聴きのプロの人々の間では、ごく当たり前のことで、しかし素人のオーディオマニアの間には、全くと言っていいほど浸透していないことが判明しました。
素人マニアの方々の聴き方は、それこそ多種多様で、個々に独自の型を持っていました。これを自由と言えば聞こえはいいのでしょうが、その実、音を正しく評価することの本質的な意味が薄れてしまっていることに気が付きました。

何事もそうですが、基本をないがしろにしていては、上達はすぐに頭打ちになり伸び悩みます。上達する人は、たいてい素直に真似て、そして本質を掴みとるまで反復練習を行う人です。天才でもない限り、独自の型など高次の世界では通用しません。

素人の独学であっても、経験を通してプロフェッショナルと共通の答えを導き出せることもありますが、それはやはり深く追求すればこそです。


今回のテーマで取り上げなかった、分解能とか情報量とかエネルギー感とか、その他もろもろの要素も音色には含まれますが、基本的な聴き方は皆同じで、どの程度”似てるor似てない”、から始めます。


この音聴きの基本を学んで体得した瞬間、自力で押し上げたオーディオレベルを肌で感じ取り、見晴らしの良い広大無辺な音の世界との調和を、両手を広げて歓迎している自分に出会えることでしょう。

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