2022年7月17日日曜日

空気録音には音の聴き方のヒントが隠されている~その2~

前の日記では、元音源には含まれていない情報として、分かりやすい機械(録音機材)ノイズの例を挙げました。

今回は、空気録音から読み取る部屋の響きとSPの癖について簡単に書きたいと思います。

通常のオーディオは、SPから発せられた音波と部屋の音響特性の組み合わせで成り立ちます。

マイクとSPの距離がどの程度離れれば部屋の響きが録れるのかは、その部屋の音響特性にもよるところでしょうけど、自室の場合は2メートル弱離れてあの程度(リスニングポイントにマイクを設置しての空気録音参照)になります。

部屋の影響は、部屋の反響音の付加、部屋自体のビリツキ、帯域別の左右バランスの偏り、帯域の凹凸などなど・・。おおよそこれら全てを含めての部屋録音が一般的な空気録音になりますが、録音時に部屋の響きが勝って位相がグルグルしてしまい意図しない音になるようならば、マイクとSPの距離を調整するのも一つの手です。

要するに、SPの音と部屋の音響特性をブレンドして完成させているのが通常のオーディオなので、空気録音時にその音が適切に録れるように調整するという意味です。


次にSPの癖についてです。

その前に、良い空気録音の特徴一のつとして、部屋の癖が加わっていたとしても、その中からSP本来の音を容易に切り抜いて聴き取れるというものがあります。この現象が精度良く録れると、SPが上手く設置されているかどうかが分かりますし他にも色々と判断しやすいのです。

SPの癖の出やすさは楽曲との相性も大きいので、複数の音源で確かめる必要があります(部屋の癖もしかりです)。私の場合、最近はパワードSPばかり使って空気録音してますので、SPの音も部屋の癖も把握しやすいかと思います。

最近徹音さんと共に使用した楽曲では、特に低域の動的性能の問題が浮き彫りとなりました。

もっとSPにパワーを入れれば結果は違ってきたかもしれませんが、そもそもパワーを入れないと正確な動きをしないということであれば、それはそれでまた問題ですよね。

また、SPによっては違った問題が浮上することもあります。

例えば、原音にはない変な音が残響として穴(ダクトなど)から出てきたり、低音域の凹凸により変に波打って楽曲のイメージが損なわれたり、音階が不明瞭で音楽自体が歪曲されたりと、そのような現象も空気録音から聴き取れる事が多々あります。

以上のように空気録音は音の聴き方の訓練にも活用することができる、という話でした。

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