2016年12月20日火曜日

音の聴き方入門~16~

低域は形もイメージして聴く

ATH-M50xの音を、仮の原音とします。
*アンプによってはヘッドフォン端子の音が悪い場合もあるので注意が必要です。*


殆どのSPは、Fレンジの広さでは、ヘッドフォンには敵いません。

楽曲は少なくとも2種類用意してください。

一つは、所有しているSPで概ね再生できるFレンジの楽曲。もう一つは、SPでもそれらしくは鳴るが、最低音域は再生できない広いFレンジを持つ楽曲。”それらしく鳴る”というのは、低音のF特の幅が広いということです。例えば50Hz150Hzとか。ピンポイント的な低音(30~40Hzとか50~60Hzなどなど)はこの検証には適しません。また別な検証に使います。

・楽曲全体の雰囲気をATH-M50xで確認する。
・楽曲全体の雰囲気をSPで確認する。

大雑把に聴いて、似てる、違うなど、第一印象を感じ取ります。

まずは、似ている印象が大切で、細かな調整は、そこを崩さないように心掛けます。
例えば、打楽器の音の太さが違う?質感が違う?叩き方の力の入れ方が違うように感じる?
演奏そのものが違って聴こえるのはかなり問題ですから、似ているということが大切になってきます。
どこがどう違うのかよく聴き比べて確認しましょう。聴き比べれば、自然と低音の適正値が理解できます。

SPのFレンジが狭い場合、低音の全貌を聴くことは無理です。ここは諦めるしかありません。
低音が再生できないから、そもそも低音チェックが出来ないかというとそうではなく、まず先に書いた通り印象を聴き取って、次にPCを活用します。
PCの音楽再生ソフトに付いているグライコで、SPでは再生できない帯域を思い切って削り、その音をATH-M50xで聴き、SPの再生音と比べます。
これである程度、低域の上澄みだけ再生した際の適正な低域の形をイメージできると思います。

・低域の遅れを感じ取る訓練をしましょう。

低域をダクトやホーン等で補うSPの場合、ATH-M50xと比べると、低音遅れが確認できます。
出だしが遅れるタイミングや帯域は、SPによりけりなので、SPとの相性によって遅れの目立つ楽曲があります。そのような楽曲を見つけたら、検証用楽曲としましょう。
また、マルチウェイSPの場合も、各帯域を受け持つユニット間でタイミングが合っていないものもあります。

リズミカルな曲で遅れを感じるとを、なんとなくつんのめる感じがします。

・低音残りを聴き取ろう

ユニットの制動力不足やダクトなどの共振現象にまつわるトランジェントの悪化で発生する音残りがあります。特にホーン構造のSPでは、音の遅れに混じることが多いので、混同しないように気を付けて聴き分けましょう。
また、部屋の反射でも起こりうる現象でもあります。


いずれにしても、低域の形がいびつに変形していないか聴き取りましょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿