2019年9月3日火曜日

二つの真実の狭間

オーディオ機器の音合わせに使うための生録音源は、自分の耳で聴いた実音と、その録音物との整合率が肝となります。

しかしその整合率を高めるのは簡単ではありません。
生音の媒体化の過程にしても問題は多岐に渡るため、常に検証は欠かせませんし、そもそも録音物は、オーディオ機器を通して音波化されますので、この時点で録音物の本質を探り当てること自体が大変な難易度の高さとなって目の前に立ちはだかることになります。

媒体自体に関しては、現実的にはある程度絞られた制約があり、そのため今現在はデジタル・データ化が一般的です。アナログテープやDATといったテープ媒体も可能かと思いますが、今となってはお手軽とはいきませんし、ましてやレコード盤化(ダイレクトカッティング)などは、素人には現実味がありません。

そんな事情を踏まえつつ、正しい再生音の検証の際には、生音という真実と、その録音物である媒体というオーディオにとっての真実狭間に放り込まれてさまようことになります。

本来、趣味のオーディオというものは、媒体以降の音だけを考えればいいのですが、私のやっているオーディオが、ちょっと普通と異なるとすれば、上記の二つの真実の狭間の存在にあるのだと思います。

今にして思えば、生録音を始めてからは常時この二つの真実の狭間の世界にドップリ浸かっていたわけで、そう考えたとき、私の言うところの音聴きのスキルとは、この二つの真実の狭間に身を置くことで学び得たスキルと言えましょう。

この狭間の世界での音判定に欠かすことのできないスキルこそが、オーディオにとっての最重要スキル・・つまりは私の言うところの音聴きのスキルであると考えています。

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