2019年9月8日日曜日

第三の真実

オルゴールの生録音源をアップいたしましたが、やはりいつもの様に、二つの真実の狭間に放り込まれてしまいました(汗)。
ということで、前回(二つの真実の狭間)からの続きです・・・。


第一の真実は生音、第二の真実は媒体の音、そして第三の真実が再生音。

第一の真実は通常オーディオには存在せず、第二の真実から始めますが、結局のところ、第三の真実である再生音を自分好みに仕立てるのが、一般的な趣味のオーディオと言えます。

というのは、ほとんどの趣味のオーディオには、第一の真実(録音現場の生音)が存在しないにもかかわらず、第三の真実には自分の耳にしたことのある生音を当てはめてしまうからです。
それは経験に裏打ちされた音であるが為に、自身に対して説得力を持ち、それゆえに、思い込みによる音のイメージ化をはかることになります。

この場合、第二の真実である録音媒体の音色は無視に等しく、自分の経験上の生音を、つまり第一の真実のイメージを再生音に投影しているに過ぎません。

そしてさらに問題になるのが、生々しさです。
自分の聴いたことのある音色で、しかも生々しいともなれば、なおのこと疑う余地はありません。

これは実のところ大きな落とし穴なのですが、それも趣味ですから否定するところではありません。

ただし、そこ(第三)にあるのは、自分にとっての真実という事になります。

このように構築された”自分にとっての真実”であっても、元は媒体なのですから、全く整合性が取れないわけでもありません。要は程度の問題ということになるのですが、その際重要なのが、再生音を構築する要素の優先順位です。その優先順位を決めるカギとなるのは、「再生音の考え方」と「音の聴き方」です。

どう転んでも、オーディオの本質的なレベルアップには、音聴きのスキルを磨くことが必要なのです。

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