この実験録音は、今までの経験から理屈で考えて行ったものです。
録音自体の良し悪しはひとまず置いといて、結果は仮説通りでした。
この録音の特徴は、フレームを感じさせないほどに広い空間表現です。
またその空間に自然なつながりを感じ取れること。
例えば、近くの鳥と遠くの鳥が同じ空間を共有していて、しかもこれだけの広い空間にもかかわらず、位相を電気的にズラしたような不自然な広がりや、幽霊のような定位の印象は皆無ではないでしょうか?
勿論そんな電気的な加工はしていないわけで、これはマイキングと対象物(音源)との位置関係で成り立つ現象です。
その関係性に対して仮説を立てて行ったのが、この録音というわけです。
ただし、下手をすると変な音場が出来上がる可能性も大いにあるので、シチュエーションは限定的かもしれません。
今回の実験については、録音手法と、その結果としての現象の関係性が非常に興味深く、また録音物としても非常に面白いものになりました。
ただ、正直これで良いのかと考えるところもあり、答えを出すには時期尚早であろうと思います。
しかしまぁ、聴いて損にはならない面白さがある生録音源になったかと思います。
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