~その3と4~で、自然の生音には、オーディオ的な音質という要素は存在しないこと、再生音は、信号の欠落やノイズの付加といった、媒体信号の維持を阻害する因子があるため、音色のほかに音質というバロメーターが必要になるという”再生音の考え方”を述べました。
同じソフトを再生しても、オーディオ装置が違えば再生音も違う・・・。
思い当たる理由は山ほどありますよね。だから音が違って当たり前、なにも不思議なことはない!そもそも、音を楽しむのもオーディオの醍醐味!みんな違っていい!多種多様!
その通りだと思います。なので、この考えをもとに再生音の構築を進めるうえでは、音要素の優先順位は個人の自由となり、ここで話は終わります。
しかしこの”再生音の考え方2”は、”音聴きのプロに何処まで迫れるのか?”につながる考え方がテーマですので話を続けたいと思います。
装置AとBとで再生音が違う場合、どちらに正しい音色が隠されているのかを聴き取ることが最優先と考えます。
まず、基本の音色を確保してから音質向上を目指し、トレードオフ的な連動ではなく相乗効果を狙った調整に努めます。
平たく言えば、『音質のために音色を犠牲にしない』という考えです。
しかしここでもまた現実的な話をしなければなりません。それは何と言っても妥協線の引きどころです(妥当と言いたいところですが)。
音色とは音そのものと何度も書いているように、音の要素の集まりでもあります。
まずは、媒体本来の音との比較で、装置A/Bのどちらがどの程度似ているのかを、漠然と聴き取りますが、はっきりと白黒が付く場合もあれば、それぞれに得意な楽器があったりと、これまた一筋縄ではいきません。
理由は、再生音の要素にあります。
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