2021年2月23日火曜日

”位相狂い部屋”の、対策

私が行ったルームチューンは、位相狂い対策も含めた”吸音”です。

反射板を増設したり、いろいろと実験を行いましたが、最終的にそれまで壁に貼り付けていた反射板を全て撤去し、代わりに吸音材を壁に立てかけました。後から気付いたのですが、反射板はそのままで、その上から吸音材を被せて検証すべきでした。というのは、反射板を取り外したことによる壁の振動モードの変化を確認しなかったからです。

SPの箱の吸音材にしろ、部屋の吸音材にしろ、”吸音”そのものを歓迎しない意見も耳にしますので、現実的にはケースバイケースだと思います。

吸音否定派の証言は決まり文句のように「音が死ぬ」です。

『SPの箱の中に吸音材を入れたら音が死んだ。』『部屋にカーテンを取り付けたら音が死んだ。』だから吸音材は音を悪くする。だから使わない方が音がいい。という理屈です。

dead とliveという言葉の持つ意味が、そのまま音のイメージに定着してしまったのでしょうか?それもあるように思いますが、それ以上にこれは体験的な事実なのでしょう。私にも同じ体験があります。ただし”場合によっては”です。音を生かす吸音処理があることを体験すれば、音が死ぬとは言い切れなくなります。

吸音で音が死ぬといった現象に対する理由は仮説として私の頭の中にあるので、その理論を使って自室の吸音処理を行ったところ、仮説通りの結果が出ました。もちろん音を生かす良い結果がです。

この仮説から推察すると、部屋によっては吸音処理が致命的になるケースも出てくるのも頷けますし、またそのような部屋の実例も体験しています。

私はルームチューンの専門家ではありませんし、測定して数値化できないので(仮説の域も出ませんので)詳しいことは書けませんが、私の空気録音を通して実証はできていると思います。もちろん現時点でのルームチューン程度では、まだ完璧ではないことも空気録音から聴き取れます。

とことんやるかは、今後の私自身のやる気とか、現実的な諸事情次第ですね。

そう言えば、もう随分前の話ですが、徹音さんが工房のカーテン選びの際、「カーテン一つ選ぶにしてもスキルが試される」というようなことを言ってました。「吟味する」だったかな?いずれにしても吸音で音を死なせてしまうか、生かせるかは、スキル次第ということですね。

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